膝関節の周りには多くの筋肉や靭帯があり、それらが複雑に交差して関節が出来ています。
膝の怪我にもそれぞれ特徴があり、特徴を見極めることで痛みがどの部分で出ているのかを特定することが出来きます。原因を特定してその症状に合ったサポーターを装着することで、痛みを効率よく軽減することが出来るようになります。今回は、膝関節のサポーターについて、症状を確認しながら説明していきます。
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【オスグットシュラッター病】
膝(膝蓋骨)の下の骨が痛む
膝蓋骨の下側は、太ももの大腿四頭筋が骨にくっつく脛骨粗面という場所があります。
この場所は成長期の男性によくある、成長痛で痛みが出る部分として知られており、オスグット・シュラッター病とも言います。
運動や日常生活の動きの中で、大腿四頭筋が脛骨粗面を繰り返し引っ張ることで炎症が出ることがあります。
成長期の骨は、まだ柔らかいために筋肉に引っ張られると炎症が起こりやすい傾向があります。
痛みを予防するためには、膝周りの筋肉の柔軟性を向上させるストレッチなど行い、脛骨粗面にかかる負担を軽減することが大切になってきます。
痛みを我慢し続けていると最悪の場合、脛骨粗面が剥離骨折してしまうことがあります。そうなってしまうと、治るまでに非常に時間がかかってしまいます。「怪しいな」と思ったら、すぐに専門の方に相談しましょう。
サポーターを装着することで、大腿四頭筋の力が直接脛骨粗面を引っ張らないように緩衝してくれます。これによって、脛骨粗面にかかる負担が軽減されて痛みを軽減することが出来ます。
このサポーターは痛みが出ないように予防をするために着用することも出来ます。成長期のお子様など不安がある方は、予防のために使用してみるのもいいかもしれません。
【ジャンパー膝】
お皿の骨(膝蓋骨)の上か下が痛む
大腿四頭筋はお皿の骨(膝蓋骨)にくっつく手前で膝蓋靭帯という硬い組織になって膝蓋骨にくっついていきます。
激しい運動を行うと、膝蓋骨の上下に繋がっている膝蓋靭帯に負担がかかって痛みが出てしまいます。
筋肉の使い方など、細かい原因は考えられますが、太もも前の筋肉を柔らかくしておくことは鉄則です。
日々のストレッチに励みましょう。
サポーターを装着することで、大腿四頭筋の力が働いた際にかかる膝蓋靭帯への負担を軽減してくれます。
このサポーターも痛みが出ないように予防をするために着用することも出来ます。成長期のお子様など不安がある方は、予防のために使用してみるのもいいかもしれません。
【膝関節靭帯損傷】
膝の靭帯を損傷した
膝には、大きく4つの靭帯が存在します。それぞれの靭帯が大腿骨と脛骨、腓骨を固定して膝関節が安定する仕組みになっています。膝関節の靭帯は、捻じれる動作に弱く、膝の内側や外側から外力が加わったりすることで損傷してしまうことがあります。
しっかりと固定したい
膝関節の関節は、捻じれる動作に弱く、靭帯を痛めやすいです。靭帯を損傷された後に、同じように膝が捻じれてしまい、靭帯の損傷を大きくしてしまわないように、しっかりとサポートをする必要があります。
固定力を高めたい場合は、膝の内側と外側に樹脂ステーなどの硬い素材が使われているサポーターを選ばれることをお勧めします。
可動域も確保したい
樹脂ステーがあることで固定力は上がりますが、可動域が狭くなってしまいます。可動域が狭い状態で身体を動かすと筋肉への負担が増えてしまい、また別の怪我を引き起こしてしまう可能性があります。膝の痛みや不安定感が無くなり、再発しないように防止するなどの場合は、樹脂ステーのないサポーターを選ばれるのもいいかもしれません。
ストレッチで根本を解決しよう!
膝関節の痛みは、主に太もも前の大腿四頭筋の筋肉の硬さが原因で引き起こしやすいです。
膝を曲げた時に、お尻と踵が余裕をもってくっつく状態が太もも前の筋肉の柔軟性としてはベストですが、お尻に踵が届かない状態は危険信号です。
しっかりとストレッチをして、膝関節に負担の少ない身体つくりをすることが大切です。
太もも前の筋肉に限らず、ふくらはぎ(下腿三頭筋)やお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)などもしっかりとストレッチすることで、更に怪我をする確率は減っていきます。
日頃から、自分お身体のメンテナンスを習慣化して、健康な身体を目指していきましょう!