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笑うと病気に強くなる?

笑うと病気に強くなる?

日本では、バブル崩壊以降なかなか経済が上向かず、ストレスを抱える人が年々増加しているそうです。

さらに、追い打ちをかけるように新型コロナウイルスが蔓延し、最近では人々から笑顔が減ってしまったように感じます。

一方で、『笑う門には福来る』という諺があるように、笑いが人々に幸福をもたらすことは昔から言われていることです。

また、よく笑うとストレスに強くなり病気になりにくくなったり、病気を克服できたりするという話も聞きます。

しかし、作り笑いと愉快な笑いでは効果に違いがあるようにも感じます。

そこで、今回は笑いと病気についてお話ししたいと思います。

笑いと病気の関係

人間の体には、ガン細胞やウイルスなど害をもたらす物質を退治してくれる、ナチュラルキラー(NK)細胞というリンパ球があります。リンパ球とは免疫をつかさどる白血球のサブタイプの一つです。

このNK細胞は、笑うことで活性化されるという研究報告があり、NK細胞が活性化するとガンや感染症にかかりにくくなるといわれています。

ただ、免疫力は強ければ強いほど良いというわけではなく、自己免疫疾患と呼ばれているリウマチなどは、免疫が自分の体を攻撃してしまうことで引き起こされます。

ある実験によると、笑うことはただ免疫力を高めるだけではなく、免疫システム全体のバランスを整える効果があったそうです。

つまり、ガンや感染症を予防する効果があるだけでなく、免疫の異常を改善することにもなるのです。

さらに、血糖値の上昇の抑制、疼痛緩和、アレルギー改善、ストレス軽減などの効果もあるとのことで、笑いは万病を防ぐといっても過言ではないのかもしれません。

つまり、

 笑う→NK細胞活性化→免疫システム正常化→ストレスや病気に強くなる

という構図が成り立つというわけです。

笑いの種類と効果

しかし、ここで疑問が生じます。

一概に笑いといっても、微笑む程度の『作り笑い』と、漫才などを見て腹の底から笑う『愉快な笑い』と大きな差があるように感じます。

ある論文では、『愉快な笑い』は筋骨格系、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、神経系、免疫系など全身に影響を与え、非常に良い結果をもたらすことが報告されています。

先ほどの研究でも、喜劇などを見せてその前後でNK細胞の活性を調べているので、『愉快な笑い』は一定の効果があるといえるでしょう。

では、『作り笑い』ではどうなのでしょうか?

ある実験で、ストレスを生じることが多い看護師を対象に笑顔を心がけて仕事をしてもらったところ、微笑む程度の『作り笑い』でもストレスが軽減できたという報告があります。

普通は、楽しいから笑うと思いがちですが、脳は、笑っているから楽しくなるという回路も持っているようです。

このことから考えると、『作り笑い』でも『愉快な笑い』と同じような効果があると考えられるのではないでしょうか。

外部からの刺激によって楽しく愉快な気持ちになって笑うことと、自ら笑顔を作ることで楽しく明るい気持ちになることは、いずれも体にとって良い効果をもたらしてくれそうです。

まとめ

ストレスの多い社会で生きていると、どうしても笑顔を忘れて生活してしまっていることが増えてしまいます。

しかし、たとえ『作り笑い』でも、できるだけ笑顔でいることで免疫機能が向上し、病気やストレスにも強くなる効果があることから、生活の中で意識的に笑顔を作るように心がけると良いでしょう。

また、笑顔だけでなく、生活の中で『愉快な笑い』も取り入れるとより効果的です。

たまには、喜劇を見たり、楽しく雑談したりして、大いに笑ってください!

たかが笑い、されど笑い。

意識して笑いを増やせば、思っている以上に体への良い効果を実感できるはずです。


参考文献リンク:健康における笑いの効果の文献学的考察